木花*其の一*
□2.盾と矛と南野秀一
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「言ったら…信じてくれます?」
『本当のことなら、ね』
「じゃあ本当のことを言いますから、信じてくださいね」
南野君は体全体を私の方へ向けて、真剣な眼差しで見つめてきた。
「木花は、君だよ。群青…奈由さん」
『いや、だから私は』
「君だよ、本当に」
何を言ってるの、この人。
『本当のこと言うって言ったくせに』
「本当のことを言ってますよ」
『だから私は、木花さんじゃないってば』
「木花ですよ。前世のことですけどね」
『………え?』
何を言ってるの、この人。(二回目)
「もう一回言って欲しそうな顔ですね。
何度でも言いますよ。
木花は、群青さんの前世の名前です。
俺にとって…………大切な人でした」
……………前世!?
〜続く〜