木花*其の一*

□3.蔵馬と木花
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『っ…』

なんて、優しすぎる言葉なんだ。


心の底から


生きていてくれたということを


喜んでくれている。




「…じゃあ、俺はこれで」


『………』


私は、言葉も出ないまま

南野君が出て行く足音と、屋上の鉄のドアが鈍い音を鳴らすまで




―――ずっと、その場に立ち尽くしていた。


〜続く〜


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