木花*其の一*
□7.新たなる展開へ
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『んぐ!?ゆ、ゆ、ゆ幽助君が、い、生き返った!?』
「そうなの!夢みたいな話でしょう?でも本当なのよ!」
きっと夢の国でも叶えてくれるのは、難しいこと。いや、不可能だ。
螢子のとんでもない爆弾発言に
奈由は思わず、おやつのクッキーを喉に詰まらせた。
螢子ちゃんのお母さんがお店で倒れてから数日が過ぎ、おばちゃんも無事に回復。
また平和な日常を取り戻した。
久しぶりに落ち着いた日曜日を過ごす2人は
螢子の部屋で、お菓子を食べながら、楽しくガールズトークに花を咲かせていた。
その差中で発覚した新事実。
死んだとされる
あの幼馴染の“幽助君“が
ついに、生き返ったそうだ。
『そんな…ことって、本当にあるんだね』
「私もびっくり。確かに幽助は死んでいたのに、今はもうすっかり元気に過ごしてるの。
本当は、死んだのが夢だったんじゃないかと思うくらい!」
螢子は、倖せにそうに微笑えみながら
両手でマグカップを包んで紅茶を啜った。
以前、幽助君が
《生きていた》という報告を螢子から受けて暫く。
信じかたい話ではあったが
奈由自身の、これまでの境遇を考えると
《生き返る》というのも
実は。あり得ないことではないのかもしれない。
そして、現に幽助君は生き返ることができた。
螢子の、この嬉しそうな表情を見ると
奈由も、心の底から
幽助君の復活を喜び、そして感謝した。