木花*其の一*
□4.落ち着かない心
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『いやぁあ〜〜!!』
「奈由!?どうした!?」
2時間目、移動教室のため
音楽室へと足を運んでいる最中のこと。
心臓が飛び出そうなほど
驚くようなことが起こった。
ちなみに、このように驚かされて叫ぶのは、本日12回目。
さすがの沙希達も、奈由の様子に不安を感じている。
「ねぇ!?本当にどうした!?今日ずっと変だよ!?急に叫んだりして!」
『い、いや…本当に…本当何でもない…平気…』
目は泳いでるし若干、冷や汗もかいている。
そう……
昨日、南野君と病院の屋上で話しをしてから
私は1人重い足取りで帰路を歩んだ。
その最中…妙におかしなことが起きた。
浮遊する人や動物。
明らかに、生身の人間とは違う者達が、たくさん見えるのだ。
何度も何度も目を擦ってみるが、見える。
これを、世の中では「霊感」と呼ぶらしい。
どうやら私は…幽霊が見えるようになってしまったらしい。