木花*其の一*
□5.螢子ちゃん
2ページ/8ページ
以前まで、霊が見えることに相当悩まされていた奈由だが
最近では、その悩みをプラス思考、且つ趣味?にしてやろうとあることを思い付いた。
それがこれ。
『あの犬の幽霊は…茶色い毛だし、茶子と名付けよう。あれ?でもオスかも?じゃあ…茶太郎?』
幽霊に名前をつけること。
不思議なことに、名前をつけると愛着がわくのか、幽霊というものが、それほど怖くなくなった。
地元に潜む幽霊にはだいたいあだ名を付けている。
ジョニーやら、百合ちゃんやら、佐々木君やら…(1P参照)
『ん?あの子達またいた。まだ、あだ名付けてないんだよなぁ…』
空を見上げて呟いた先には、二人の幽霊。
最近、ここらに現れた幽霊だ。
『緑色の学ランでリーゼント…水色頭のポニーテール…不良カップルかしら?』
何やら仲良く話しをしている様子。
かと、おもいきや
学ランの男の子が突然、ポニーテールの女の子の頭を殴って
「何すんのさぁ!?」
と、ポニーテールの子が叫んいでる。
こういうやり取りを何度か見かけている。