木花*其の一*

□7.新たなる展開へ
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『本当に良かったね。私も嬉しい。でも、幽助君いつ生き返ったの?』

「母さんが倒れて病院に運ばれた日。あの日の夜中なの」

『え!?』





あの日

私は、不思議な女の子の霊とすれ違った。

私は彼女を以前から知っており
《ポニーテールちゃん》と、勝手にあだ名を付けて呼んでいた。

その日、彼女はとてつもなく慌てていて、瞬く間に、私を横切り去って行った。

だけど、彼女が去り際に
叫んでいた、あの言葉だけは
今もしっかりと耳に残っている。




「幽助ーーーー!!!」






反射的に彼女を追いかけたが
あまりのスピードに、結局追い付くことはできなかった。






もしかして…





「ちょっと…奈由ちゃん?奈由ちゃんってば!」

『へ?え!?何?どうしたの?』

「んもー、さっきからずっと声かけてるのにボーッとしちゃってる。奈由ちゃんこそ、どうしたの?」

『ご、ごめんね。
あ〜ほら!幽助君が本当に復活して良かったな〜って思ってさ!』

引き攣り笑顔を見せながら
誤魔化すように、紅茶を啜った。




もしかして、やっぱり
ポニーテールちゃんは、幽助君と関係があるのかな…?

と、なると…もしかして



――あの学ランを着た男の子って…
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