木花*其の一*

□9.幽助とぼたん
2ページ/10ページ

「ん...ぁ...?」

眩しい...な。

幽助は、重い瞼をゆっくりと開く。
目の前に、飛び込んできたのは
天井のライトだ。

状況がまだよく飲み込めない。

「ここ...は...?」

霞む目が、徐々に光に慣れてきた。
辺りを見回す余裕ができた頃、ここがどこなのかすぐに判断がついた。

「ここは...俺んちじゃねえか!っう!」

身体を起こそうとすると
全身に、鋭く鈍い痛みが走った。
すると、部屋のドアを開き
様子を見に来たのか、母親の温子が立っていた。

「幽助...!?目が覚めた!?」

「おふく」

ゴーーーーーーーン!!!!!!

頭上から強烈なゲンコツをお見舞いされた。
多少あった眠気も、一瞬にして覚めてしまうほど鋭い痛みが頭部に響く。

「っっってぇーな!!!!何すんだよババア!?」

「せっかく生き返ったのに!!あんまり無茶して心配かけないでよ...うっぅぅう...!」

「ああぁぁ...わーった!わーったから!泣くなって!」

温子は涙をボロボロ流し、その場に泣き崩れた。


無理もないよな。
死んでた息子が生き返ってきたばかりだもんな。

それにしても、俺はどうやって
助かったんだっけか...?
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ