彼氏
□お菓子より彼女が大好きな彼氏紫原くん
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私の彼氏は紫原敦。
お菓子が大好きで基本的に緩い。
でもバスケのことになると別人らしく、いつもの雰囲気は全く無くなるらしい。
本人はバスケが嫌いって言ってるけど、本当は好きなんじゃないのかな?
...まあ、それは置いといて。
今日は2月14日、恋する女の子にとってはドッキドキ☆な日だ。
☆の意味?ないよ。
「ねーねーナマエちん、」
「んー?」
「なんかさ、俺に渡したいのとかないのー?」
「渡したいものー?」
「んー」
遠回しに「チョコ頂戴」と言っているんだろう。
そりゃあチョコは持ってきている。
あっくんのだけじゃなく、さつきちゃんのとか赤司くんのとか。
「あっくんさ、私以外の子からチョコ貰ったら食べる?」
「えー?」
んー、と少し考えるそぶりをした後緩く笑って言った。
「ナマエちんから貰うまで食わねーし」
「私があげなかったら今日1日お菓子なし?」
「...ぅぐぐ、」
あ、やっぱそれはキツイのか。
じゃあ意地悪しないで早く渡してあげよう。
昨日つくった生チョコを鞄から取り出そうとすると、
「...ナマエちんの貰えるなら、我慢するし」
「...え、」
あの、あっくんが...!?
びっくりして顔を上げると頬を赤く染めたあっくんがいた。
「バレンタインには大好きな子からチョコ欲しいしー...そのためなら我慢できる」
...多分、と続けられた。
やっぱり絶対ではないんだ。
それでも嬉しかった。
自分が思っているより大切にされてたんだな、と実感できた。
「...ありがと、あっくん」
「んー?何が?」
「んーん。...はいっ、ハッピーバレンタイン!!」
紫のリボンでラッピングされた箱を渡した。
あっくんの顔がみるみる内に輝いていく。
可愛いな、なんて思ったり。
「ありがとっ」
「いーえ。」
「んー...。あ、生チョコ! んまそー」
美味しそうにチョコを頬張るあっくんにホッとした。
「おすそわけー」
不意に塞がれる唇。
思わず口を開けば甘いものが口に入ってきて。
ああ、これ、チョコレートだ。
「っ〜.../」
「美味いっしょ?」
にやり、妖しく笑うあっくんだった。
((おーナマエ! チョコよこせ!))
((あ、青峰くん。))
((峰ちんはさっちんに貰いなよー、ナマエちんのチョコは俺だけのだし))
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