彼氏
□家族思いの優しい彼氏虹村さん
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私の彼氏は虹村修造。
家族思いな男子バスケ部元主将で、少し不器用だけど私を目一杯に愛してくれる彼氏様。
修造の彼女だからキセキの世代に会うこともあったけど、あの濃いメンバーをまとめていた修造は尊敬できる。
私だったら絶対無理だ。
「...修造」
「! ナマエか」
今日は私達3年生の卒業式。
中学校最後の晴れ舞台。...そして、別れの日。
修造の右手には卒業証書の入った筒が握られていた。
「目ェ赤いな。泣いてたのか?」
「...高校では離れ離れになっちゃうから。」
私は新設校の誠凛に行く。
友達で誠凛に行く子は少なく、ほとんどみんなとお別れなのだ。
修造は泣いた様子もなく、ふわりと桜の花びらが散る中に立っていた。
...その姿は儚げで。
「寂しくなるなあ...」
「...まあな」
「私は修造のこと好きだからね」
「俺は大好き」
「...ばか」
余計に切なくなっちゃうじゃん。
修造の前では泣かないって決めてたのに。
泣いてしまうと、別れが辛くなるから。
−−−離れたくなくなってしまうから。
「まー、もしも高校離れても恋人だからな俺たちは」
「当たり前、じゃん」
ふわりと抱きしめられ、修造の胸に顔をうずめた。
「...浮気、しないでね」
「ナマエこそ」
「浮気したら許さないから」
「俺も許さない。もし浮気したら俺の部屋に閉じ込めてやる」
「うっわ監禁?」
少しでも笑顔でいないと涙が溢れそうだった。
遠距離でも気持ちは繋がってる、そう思ってはいてもどこか不安だし。
修造は何県の高校かすらもわからない。
「...心配すんな」
「え、」
「俺の中で一番の女はナマエだから。他の女は眼中にねー」
「ふふ、...さつきちゃんも?」
「桃井はマネージャーだろ」
「...そう、だね」
「お前以外の女と付き合うとか考えられねぇし。想像しただけでも鳥肌立つ」
「...ばーか、」
大好きだよ、修造のばかやろー
((...修造、))
((なんだ?))
((っうぇ!?))
((色気のねー声だな))
((っ、うるさい! ここ、誠凛の入学式だよ!?
なんで修造が...))
((俺、ここの高校通うからな))
((...!!))
((!? うわっ泣くなって!))
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