誠凛でわちゃわちゃするお話。

□第3Q
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「おー名前、翔一さんが遊びに来てやったで」

「来なくていいですサヨウナラ」

「そーゆー訳にもいかへんのや。
今桃井がドリンク作っとってなあ...」

「...っ、」

「ワシらを殺す気か!!」



カッ、と細切れの三百眼が開眼した。

この人目付き悪いから嫌なんだよ...!



「だだだだ大丈夫ですよ...!」

「大丈夫やないからわざわざ来とんのや...」



はあー、と態とらしく溜息をついた今吉さん。

桃ちゃんが作る料理はポイズンクッキングになる。
結構な高確率、...っていうか確実に。


レモンの蜂蜜漬けなんかいい例だ。

レモンを切らないで丸ごとごろんと入れる桃ちゃんある意味かっこいい。



「あー... なんで今吉サンが居るんスか? 苗字は誠凛のマネージャーなんで誑かさないでほしいんスけど」

「失礼やなー、名前とワシは恋人なんやし別にいいやろ」

「ふざけんなよ狐」

「なんて?」

「ふざけん「な ん て ? 」...ナンデモナイデス」

「名前お前今吉の彼女だったのか...!?」

「酷いです名前さん... ボクとの関係は遊びだったんですね...っ!」

「茶番乙。てゆーか恋人じゃないよ!! 私あの人きら「え ? 」...ナンデモナイデス」



私が何か言うたびに開眼する今吉先輩コワイ。


だから嫌なんだよなあ、この先輩。

私のどこがいいのかいつも絡んでくるし、心読んでくるし。

そんなんだからサトリなんて言われるんだよ...



「サトリなんて酷いわあ」

「人の心勝手に読む今吉先輩のが酷いわあ」



関西弁には関西弁で返す。

これ常識。


現在は少しでも今吉先輩の視線から逃れるために伊月先輩の後ろに隠れている。

伊月先輩の背中、大きくて暖かい。


...大きさは清兄には叶わないけれど、安心感はどっちもどっちだ。



「すみません伊月先輩...」

「別にいいよ。それにしても大変だな、変な人に好かれて」

「ですよね。本当に嫌ですもう」

「...頑張れ」



慰めるように頭を優しく撫でられた。

まるでお兄ちゃんみたいだ。



「...ありがとう、ございます」

「いえいえ。...あ、俺のこと俊でいいよ」

「俊、先輩?」

「ああ。」



笑ってまた頭を撫でられた。

優しいけど、さっきとは違ってわしゃわしゃと。


髪がぼさぼさにならない程度に撫でてくれて女の子に慣れてるなー、と何と無く思った。





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