誠凛でわちゃわちゃするお話。
□第8Q
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「やばい。紫原くんまじやばい」
「やばいのはわかりましたから拭いてください。透けてます」
「きゃーテツくんのえっちー」
「棒読みすぎです」
「てへぺろ」
「...」
「ぷわっぅ!? 急に顔にタオルあてないでよ!」
「すみません、可愛すぎて顔をみたくありませんでした」
「Σ !?」
こんにちは名前だよっ☆
ついさっきまでストバスにいた私達誠凛高校(一部)は今、雨宿りのために最寄りの駅に来ていた。
ストバスではいろいろなことがあったが説明は割愛で。
「うわ、キャミまでびちょびちょ...」
「着替えあんのかよ?」
「あるわけないじゃん」
「じゃあ俺の着るか?」
「鉄平先輩のじゃでかすぎますよ」
「でもボクのシャツの替えはないです」
「俺も...」
「あ、俺も」
このメンバーの中で(比較的)小柄な3人のシャツの替えは無いらしい。
つまりは鉄平先輩か大我に借りるしかない、のだが...
「...悪ィ、俺もない」
「おぅふ...」
「やっぱり俺の貸すぞ!」
「...」
「名前、顔やばいですよ」
...いやあ、だって、ね?
鉄平先輩のじゃ彼シャツどころかワンピースだ。
テツくんのが一番彼シャツっぽいんじゃないかと思う。
私は。
「でも着るのないんだし木吉先輩の着なよ」
「...しょうがないか」
鉄平先輩のシャツを受け取って今今着ているシャツを脱ぐ。
びちょびちょのシャツと入れ替えるように木吉先輩のシャツを着た。
...が。
「うわあダボダボ」
「大人の服を着た子供みたいですね」
「だね」
袖は半袖どころかもう七分袖ほどの長さだし、裾はショートパンツを余裕で隠すほどの長さ。
まさにワンピースだ。
鉄平先輩は満足したのかにこにこ笑っていた。
「いやー可愛いな名前!」
「キャミソールは大丈夫なんですか? びちょびちょなんですよね?」
「濡れてるけど脱ぐわけにはいかないし... 家に着くまでは我慢するよ。
鉄平先輩、これ洗って返しますね」
「ああ!」
さっきから何が楽しいのかにっこにこの鉄平先輩。
天然でふわふわしてるのはわかるけどなんでここまでにこにこ?
「...あ」
「どうした火神?」
「カントクが今から学校来いって...」
「えぇっ!?」
「また雨の中を行くの!?」
「カントク命令だし...」
「うわあ...」
なんでリコさん今呼ぶんですか...!
顔も見えない先輩を思ってはあ、とため息をついた。
((そいえばテツくんさ、))
((はい?))
((私のこと呼び捨てで定着したね))
((...嫌でしたか?))
((全く。じゃあ私もテツヤって呼ぶね!))
((! ...はい))
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