桃井くん
□黒子さんと桃井くん。
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コミックス5巻
第38Q 来ちゃいました
−−−−誠凛バスケ部名物「プール練」
誠凛高校から徒歩10分、相田リコの父親が経営するスポーツジムがある。(ちなみに父親は親馬鹿)
週3回。
朝ジムが開く前の早朝、朝練の代わりにここでフットワーク、筋トレを行っている。
トレーニング設備はもちろんあるが体のできていない高校生には怪我の恐れがあるので使わない。
水中は逆に浮力があるので体を痛めにくい。
が、同時に抵抗も多いので実は
「黒子寝るなあ!! ってゆーか浮くな!!」
超キツい。
...あ、どうもこんにちは俺です。
上の解説は自力で調べた情報を簡単にまとめた。
これでも得意なんです情報収集(どやあ
...まあそんな俺だが今日はその相田スポーツジムに来た。
偵察っちゃあ偵察だけどテッちゃんに会いたいって言われたからそれの方が本当の目的かも。
「面白い練習してますねー」
日向さんのところでしゃがみこむとブッと思いっきり噴き出された。
ひどい。
「−−−−−−−−!?」
「...!? どうしたのキャプ...
ってきゃあ!?」
「誰!?」
「...桃井くん!?」
あ、テッちゃんいた。
笑って手を振ると頬をほんのり赤に染めて手を振りかえしてくれる。
やっぱ可愛い。
うちの部活には癒しが桜井しかいないからなー...
だって主将腹黒いし。
「えっ...と、どちらさま?」
「んー...テッちゃんと同じ中学出身の者です。元クラスメート?」
「違います。桃井くんはボクの彼氏ですっ!!」
「違うからねーテッちゃ...ん!?」
飛びついてきたテッちゃんに反応できずバランスが崩れた。
幸か不幸か、俺の背はプールの方を向いていてこのまま落ちても被害があるのは俺だ。
−−−−−−−−が。
「っきゃあ...!?」
俺 の 後 ろ に 伊 月 さ ん が い た
巻き込んで倒れることになればやばい。
テッちゃんは俺が抱きとめてるからいいとしても伊月さんは俺とテッちゃんの下敷きになってしまう。
いくら水の中と言っても2人分の体重は重いだろうし...
「っ、!」
咄嗟に伊月さんの腰を抱き寄せた。
テッちゃんは左手、伊月さんは右手で抱きかかえるようにする。
−−−−そしてそのまま、俺達はプールに落ちた。
バッシャ−−−−ン!!!!
「っ、ぶはっ!」
すぐ水面から顔を出し2人の様子を見る。
テッちゃんは俺の胸板に顔を押し付けていた。
淡い水色の髪の隙間から僅かに見える耳が真っ赤で可愛い。
伊月さんは色っぽいような熱っぽいような、そんな瞳で俺を見ていた。
頬は紅潮し、なんだか、...え?
「...大丈夫ですか? 伊月さん」
恋する女の子のそれと同じだった。
...え?
((桃井くん...いや、名前くん...!))
((は、はい))
((〜ッ、かっこいい...!!!))
((伊月先輩、桃井くんはボクのです))
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