帝光にトリップするお話。
□第4Q
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「苗字名前です、よろしく」
ぱちぱち、と拍手がおこる。
カラフルな頭の天才ではなく、虹としてキセキを繋ぐ主将が俺を興味なさげに見つめていた。
−−−−−−−−.....
俺は転入生だった。
校内を大輝と歩いていたら先生に捕まり、そのまま2年の教室に連れて来られた。
どうやら俺は2年だったらしい。
虹村と同じ年とか、うわあ...
「俺は虹村修造だ」
「よろしく、虹村くん」
「虹村でいいぜ、俺も苗字って呼ぶから」
「ん、了解」
前 言 撤 回 。
虹村と同じクラスでよかった。
キセキより何倍もいいわ。
鋭い目つきを緩めて笑う虹村は、漫画で見た時の印象よりだいぶいいものになっていた。
漫画の時に悪い印象だったってわけでは無いけど。
「そういえばお前、朝青峰と一緒にいただろ」
「ああ。校内を案内して貰ってた」
「へえ... んじゃもう学校案内はいらねーか?」
「いや、してくれると助かるかな。ぶっちゃけ外しか案内して貰ってないんだ」
「ぶはっ、それ案内って言うのかよ」
「...言うだろ」
「なんで自信なさげなんだよお前は」
そんなこんなで昼休み案内してもらう約束をした。
ついでにお昼も一緒に食べる約束をした。
さーて授業だ、中学の内容は久しぶりだが大丈夫かな...
「なんだよお前、なんであんなに勉強できるんだよむかつく」
「理不尽だな。できるんだからしょうがないだろ」
「嫌味だな。今度勉強教えろ」
「俺でよければ」
「よっしゃ!」
屋上までの道のりを2人で弁当を持って歩いていた。
中学の内容は意外と覚えていて、だいぶ前のことを復習している感じ。
特に数学は自分でも良くできたと思う。
虹村にも教えてやったぜどやあ(
「...お、ここだ」
中学にしては珍しく屋上に鍵がかかっていなかった。
虹村がぎぎぎ、と音がする扉をゆっくり開けると、ふわりと優しい風が舞い込んだ。
屋上からは中庭で昼食を取る女子のグループ、同じく中庭のベンチで昼寝しているガングロ、校舎の裏で女の子を目の前に面倒そうに頭をかく金髪が見えた。
...あれ。
ガングロは大輝、金髪は黄瀬...だよな。
「...うわあ」
「あ? どうした?」
「あー... いや、別に」
何やってんのあいつら。
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