帝光にトリップするお話。
□第6Q
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体育館いっぱいに響くバッシュのスキール音、ボールをつくダムダムという音。
それと同じくらいに響く声変わり前の高い声と低い声。
俺は今、バスケ部の見学に来ていた。
漫画で多少は知っていた身だが実際に見るとすごい。
素人目から見ても一軍は流石レベルが高い。
「...苗字、来たか」
「真田コーチ、でよろしいですか?」
「ああ。それでマネージャー希望ということだが理由は?」
「理由、ですか。...前はサッカー部に入っていたくせに変だとは思いますがこの学校のバスケを見てみたかったんです。」
「強豪校のバスケを、ということか?」
「それもありますが。この学校の天才達とその天才達を纏める主将、それに意外性のある6人目(シックスマン)のプレーを見たかったんです。」
「天才達は赤司達1年のことか。主将は虹村、...意外性のある6人目(シックスマン)とは誰のことだ?」
「...赤司が、見つけて来てくれるはずですよ」
俺の知っている未来が正しければ、だが。
今の季節は9月上旬。
2学期が始まって1週間程経った時期だ。
確か黒子が1軍に上がってくるのは秋の昇格テスト後、まだ昇格テストはやっていないだろうし。
「それは興味深い内容だ」
「因みにヒントは手品です」
「...手品?」
「はい」
「現在1軍にいる者か?」
「いえ、3軍です」
「!? ...3軍から1軍に上がってくる、ということか」
「ええ、まあ。きっと驚きますよ」
小柄で消えてしまいそうな少年が6人目(シックスマン)だなんて、ね。
「1軍集合!!」
「「「「「「はいっ!!!!!」」」」」」
「うるさっ」
「運動部の基本は声出しだからな」
さっきの短時間で真田コーチとだいぶ仲良くなった。
いや、仲良くなったというよりは気軽に話せるようになった?
「新入部員を紹介する」
「...は? おい虹村、俺は見が「こいつは2年に転入して来た苗字名前。今日から1軍のマネージャーだ。弥生先輩と桃井、仕事を教えてやってくれ」
「はい!」
「了解」
「...んじゃ、次は3on3やるぞ!! 休憩は15分後だ!!」
「「「「「「はいっ!!!!!!」」」」」」
「やっぱうるさっ」
「我慢しろ」
「というか真田コーチ、俺見学に来たんですけど勝手に入部決められました」
「虹村は入部希望者がいるからよろしく、と言ってきたが」
「!?」
「虹村の策略だろう。それより早く仕事をしろ、休憩は15分後だぞ」
「...はい」
虹村は部活終わったら問い詰めよう。
「苗字くん」
「あ、はい」
「あたしは弥生桜。3年ね」
「私は桃井さつきです。1年生なのでよろしくお願いします」
「弥生先輩と桃井さん。よろしくお願いします」
「桜でいいよ。敬語もいらない、同じ1軍マネージャーだしね」
「私もさつきでいいですよ!」
「...桜先輩と、さつき?」
「それでOK」
「私も名前先輩って呼ばせてもらいますね!」
「あたしも名前くんって呼ぼうかな。慣れたら呼び捨てだからね」
「あ、了解です」
「ん、じゃあ行くよ。さつきはタオル準備してくれる?」
「わかりました!」
「いい返事。名前くん、ドリンク準備に行くよ」
「はい」
桜先輩は綺麗な黒髪の内巻きボブ、前髪についているヘアピンには桜があしらわれている。
服装は制服の上に少し大きめのシャツを着たラフな感じ。
身長は163程度か? 俺とあまり変わらない。
さつきはみんな知っている通りピンクのロングヘアをポニーテールに纏めている。
制服の上に黄色いパーカーで正に原作通りだ。
身長は154とかそのくらいか。
にしてもさつきにドリンクをやらせないということはポイズンドリンクでも製造するということでいいのだろうか。
あとで聞いてみよう。
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弥生桜 やよい さくら
中3の1軍マネージャー。
さばさばした性格で面倒ごとが嫌いだけど仲間のためなら頑張れる優しい子。その性格から後輩に慕われている。
ちなみに苦手なものは雷。
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