帝光にトリップするお話。

□第8Q
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マネージャーになって2週間。

桜先輩を桜と呼び捨てで呼ぶようになり、いつの間にか敬語も無くなってまるで同級生のように過ごす今日この頃。
さつきもいつの間にか俺のことを桃井からのあだ名と呼ぶようになり敬語も消えた。

マネージャーは皆仲良しです。



「名前ー、買い出し行って来い」

「なんで俺が」

「お前は桃井1人で買い出しに行かせる気か。そんな酷い奴だとは思ってなかったぜ」

「なら最初からそう言え松岡」

「虹村な。つか修造って呼べっつっただろ」

「今度からは気をつけるよ松岡」

「だから虹村な」



松お... げふん、修造とも名前で呼び合うようになった。

個人的に修造と言ったら松岡のイメージが強い。この世界にいるかはわからないけど。



「桃井からのあだ名っ、行こう!!」

「おー。じゃあ修造、行ってくる」

「行ってら」



また頭を撫でられた。


なんだろう、やっぱり撫でやすい頭してるのかな。



































「さつき、あと必要なのは?」

「んー... あとはテーピング。ミドリンがいっぱい使うから多めに買っていこう」

「そうだな」



近くのスポーツショップでは買えないものが幾つかあったから、電車で一駅のところにあるスポーツショップまで買い物に来ていた。

テーピング (緑間が使いすぎの為) や柔軟剤 (バスケ部人多すぎる) を買うための買い出しだが、部費が入った封筒には明らかに多く入っていた。

修造に連絡すれば、



『お前達マネージャーはいつも頑張ってるから、バスケ部員からの気持ちだ。少しゆっくりして来い。』



とのことだった。

桜はいいのか、と思ったが今日は運悪く桜は休み。


今度何か奢ってあげようと思う。



「テーピング、どれがいいかな?」

「緑間が使ってるのでいいんじゃないか?」

「そうだね! ミドリンが使ってるのは...これ、っと」



流石さつきと言うべきか、緑間が使っているテーピングはばっちり把握していた。

火神のバッシュを使う時の癖とかもわかるんだもんな。
...え、何それ怖い。


改めてさつきの怖さに戦慄していたらいつの間にか買い終わっていたらしい。
流石美人敏腕マネージャー。



「んーっ!! はぁー... 終わったね、買い出し。なんか疲れた...」

「お疲れ様。多めに部費貰ったからちょっと休憩して行くか?」

「え、でも...」

「皆からの感謝の気持ちらしいぞ」

「!! ...なら、少し休みたいかな」

「ん。じゃあどこ行く?」

「マジバ!」

「...そんなのでいいのか?」

「だって桃井からのあだ名が今度は奢ってくれるんでしょ?」

「! .....全く、あざといな」



にこにこと笑うさつきを見ていると頬が緩む。

やっぱり可愛いな、妹みたいだ。



「よーし、しゅっぱーつ!」

「っわ、引っ張るなよ!」










そんなわけでやって来ましたマジバーガー、略してマジバ。

某Mのハンバーガー店を感じさせる店内だ。


さつきはアップルパイとストレートティー、俺はバニラシェイクとポテトのSを注文した。

俺は前の世界で某Mのハンバーガー店のシェイクが好きだった。
この世界のシェイクは美味いのか調べてみることにしたのだ。



「ハンバーガーとコーラのMお願いします」

「かしこまりました!」

「...ん?」



ふいに聞こえた男としては高めの声。
少しチャラい感じの声色で、前の世界で何度も聞いたことのある声だった。



「どうしたの桃井からのあだ名?」

「...いや、」



鷹の目くんだな、あれは。


さつきに声をかけられるまでしばらく見つめてしまったがまあ大丈夫だろう。

後ろ姿だったしな!!






ーーーこの時の俺は、鷹の目くんの"能力"を忘れていた。





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