帝光にトリップするお話。

□第10Q
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俺が高尾のことを和成と呼ぶようになり、メアドも交換した頃。

まあつまり凄く仲良くなった頃。



「あ、桃井からのあだ名そろそろ戻らなくちゃ」



さつきが言った。



「えー、2人とももう帰っちゃうのかよ?」

「悪いな、部活の買い出しで来ただけだから」

「ちぇー。...でもま、部活ならしょうがないか」



また遊ぼうなー! と笑った和成。

その笑顔はどこか寂しそうで、くしゃりと頭を撫でておいた。



「和成、今度の日曜日空いてるか?」

「へ? ...あ、空いてるけど」

「じゃあ遊ばないか? ゲーセンでも行って」

「え...! いいの!?」

「ああ。さつきはどうする?」

「行きたいんだけどその日は予定が入ってて...」

「そっか。 ...じゃあ奢りも今度な」

「うん、今度ね! 絶対!!」



にこにこ笑うさつきの頭も撫でておいた。


ふと時計を見ればもう5時で、早く戻らなければやばい時間だった。

携帯を確認すると修造からのメールが13件、大輝からが6件、赤司からが5件も来ている。

一瞬動きが固まったが一通ずつ返信するとすぐ返事が来た。

怖いよお前ら。



「さて、と。戻るぞさつき、メールが怖い」

「虹村主将?」

「まあそんなとこ。じゃあな和成、詳しいことはメールする」

「おう!! 待ってる!」



それから和成と別れた。


体育館に戻ると例の3人に怒られたのはご愛嬌で。


























紫原side





最近、赤ちんがあのセンパイのことをよく見てる。
プラチナ色の髪の綺麗な顔した男のセンパイ。

赤ちんだけじゃなくて、峰ちんとか主将とかも。あとさっちん。

正直あのセンパイのどこがいいのかわかんないけど、あの人が今日怒られてるのを見た。


愛されてそーなのに怒られるのを見て不思議に思ったのと同時に少し興味を持ったから、話しかけてみよー。



「大変そーだね、アンタ」

「ん? ...ああ、紫原。大変って何がだ?」

「ほら、さっき主将とか赤ちんとか峰ちんに怒られてたじゃん」

「あれは俺が悪いからなあ」

「でもアンタ怒られてんのにさっちん怒られてないって可笑しくね?
嫌われてんじゃねーの?」

「俺が男ってこともあるだろうけどな。
...ま、嫌われてたとしてもバスケ部を精一杯サポートするだけだよ」



にへら、と笑みを浮かべたセンパイが不思議でたまらない。

と同時になんで赤ちん達がセンパイにひっついてるのかなんとなくわかった。


この人にはなんか一緒にいたいオーラみたいなのがある。

癒される、みたいな。



「...アンタが嫌われてても俺は嫌わないであげる」

「お? ...ありがと」



また笑って頭を撫でられた。

俺はいつも撫でることが大半だから撫でられるのは何処と無く新鮮だった。



...この人にならまいう棒あげてもいいかも。









((名前ちん〜、これあげる))


((おー、ありがと紫原))


((敦でいーよ))


((...ん、ありがと敦))


((!! ...へへ、))





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