main*戦国
□幻想
1ページ/2ページ
にゃぁ…
『死ぬのかな』
ずっと慕い、ついて行き、密かに愛したあの人と…
…あたしは忍びなんだ
情けとか… 感情なんていらないよにゃあ…
主のために身を賭して戦う、それが忍びだと思ってる
でも それを覆してみたい
「何変なこと言ってんだあたし…」
「くのいち、行くぞ」
「了解っ!」
(あたし…最後まで…最期までついて行きます。だから…死なないで下さい。幸村様。)
「そなたは何故俯いているのだ」
「(死なないでとか言えない…)」
「そなたらしくないな」
「な、なんでもないですにゃ!ほらっ!いつものあたしですっ!今日こそ狸鍋、頂いてやるぅ! …なーんて」
「はは、そうだな。狸鍋か」
「他に影鍋、愚問鍋、などなど」
「よかった」
「え?」
「いつものそなたになった」
「…///」
「どうした?顔が赤いぞ?」
「なんでもないですってば!」
「たまにそなたはおかしくなるな」
******
「桜の木か…」
「綺麗ですね…」
「ああ」
「この桜の木… 来年も見られますかね…?
「ああ」
「じゃあ来年も一緒に見ましょうね」
「そうだな。私は兄上や義姉上とこの桜を楽しみたい。もちろん、そなたとも」
「はい! この戦、必ず勝って、狸鍋食べて、信之様と稲ちんとこの桜みましょう!」
「来年が待ち遠しいな」
「もー!気が早すぎです幸村様!」
(いつか、四人でこの桜の木の下で語り合えればいいのに)
(乱世なんて消えてしまえばいいのにな)
(幻想って消えちゃうものなんだね)
終わり。(ha?