届かない気持ちと、繋がる体。

□いつも通りのカラダ。
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「ちょうどやな(笑)」

「友達、いいの?」

「ええねん。どうせ、明日も会うし。」

1DKの奥、すばるの寝床のマットレスに座る。

TVにはさっきまで見てたのか、クロマニヨンズのDVDが流れたまま。

散らかったすばるの部屋は、古着屋さんとタバコの匂いがする。

嫌いじゃない。
むしろ落ち着く。

部屋の壁際に並んだギター。

ヴィンテージの古着。

何枚あるのかわかんないレコード。
散らばったピック。
攻略本とゲーム。
飲みかけの焼酎のロック。
さっきの彼の飲みかけのイエガー。
子供なんだか、大人なんだか…

ぼんやりと部屋の中を眺めてる私に吐息混じりの暖かいすばるの声と同時に、耳に唇が触れて来て我に帰る…。

「ゆら…」

「ん…」

後ろから抱きしめられ唇が、耳から首筋を伝って焦らすように私の唇に触れる。

すばるのヒゲがちょっと痛い。

左手は腰にまわし、右手はすでにわたしの右の胸を大きく掴む。

何度も、何度も私の唇を甘く吸い、そしてすばるの舌が私の舌を探し出して絡まってくる。

「ん…っ…すば…、息が…でき…っ」

「ヤられにきたんやろ?。」

その、細い体で信じられないくらいの力で引き寄せられ、長いキスを重ねる。

ヤられに来たんじゃない。
ヤりに来たんだよ。

言葉に出すのはやめてそのかわり、薄く開けていた目を閉じた。

器用に私の感じる場所を探してはなぞるすばるの手を閉じた目の奥で思い出してみる。
ハープを奏でる時やギターのコードをおさえる指を。

一瞬唇を離し、すばるの目を見つめる。すばるの視線が私の唇に落ち、キスをする。

「なんちゅうエロい顔してんねん…」

キスの途中で目を開けると必ず言われる言葉。

不器用なすばるはいつもブラのホックがすぐ取れずに下に引っぱってずらす…まるで子供みたいに。

服の裾をたくし上げて、胸を露わにしてまた、舌を這わせる…


「っん…はぁ…」


いつもの香りのすばるの首に顔を埋めた。
すばるの体温、すばるの胸の音、すばるの深い呼吸…


私の太ももの間にすばるが膝を割り入れ重なる。

後で私を支配するであろうすばるの硬くなった部分を感じながらこんな私に欲情してくれるすばるに感謝した…。

深く深く、決して心が求めてなくても私自身が溢れてしまって声が漏れてしまう。

「お前、エロいねん…」

自分ではわかんないよ。
でも、今はね、すばるの全部を飲み込むの。
向かい合い重なった体の背中に手を回して背骨のライン、肩の癖のある骨格、すくい上げるように滑らせ両手で顔を包み込み、唇に触れてみる…

短い息を浅く早くするのはきっともうすぐ私の中に全部放してしまうから。

私も全部、感情も体も全て一緒に放してしまおう。

「あかん…イク」
「中で…んっ…出してええ?」

「いいよ」

言い終わるか終わらないかなうちに、私の足を肩にかけてさらに強く腰を打ちつけて、すばるは全てを私の中に放した。

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