ソノホカss

ザッハトルテ
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メタルマンは年下を猫かわいがりする癖がある。
もっと詳しく言えば、自分より年下であったり、外見が年下の者にしつこいぐらいにかわいがる。
大抵の被害者はメタルマンより後に造られたドクターワイリーナンバーズのロボット達であり、彼らは口々に「うっとおしい」と不満を言い、その癖を快くは思っていなかった。
自分は愛情を持って接しているのに、何故嫌がるのか。
それがメタルマンには理解できなかった。
それは自身の女性関係にも同じことが言えた。
自分は女性と付き合う時はその人一筋で、これ以上無いほど熱い気持ちを伝えているのに。
一人と付き合っていると同時に別の人と付き合う、いわゆる浮気は生まれてこの方一度もしたことがない。
ただ、一時は最高温度にまで達した熱が冷めてしまう時期が異様に早く訪れる。
一時的に最高温度になったかと思うと、すぐに冷めてしまう。

冷めたらそこで別れて、またすぐに好きな相手を見つける。
そのサイクルが異様に早いだけであって、冷めた相手とは別れることできちんと区切りをつけているはずだ。
それなのに今まで付き合っていた女性からは「浮気者」の烙印を押され、今でも軽蔑の目で見られている。
それが自分にとって納得がいかないのだ。
そんな、少々恋愛に難ありの自分だが、また最近好きな相手を見つけた。
いつものように恋に落ちるのは当然で、好きになったら迷わず、すぐに告白する。
告白された相手は百%オーケーを出すので、フラれる心配はない。

だが、今回は少々勝手が違った。
好きになった相手はあの、ドクターライトの作った戦闘用ロボットなのだ。数ヶ月前に世界征服を成そうとしたドクターワイリーの指揮の元、自分は敵であるロックマンと対峙した。
彼は自分の予想を上回る強さを秘めていた。
元家庭用のお手伝いロボットと侮ったのが敗因なのかもしれないが、今になってはどうでもよかった。
彼と初めて会った時、全身に雷を撃たれたような刺激が走った。
思わず電子回路がオーバーヒートしそうになるのをこらえながらの戦闘に勝ち目があるはずもなく、自分は破壊された。

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