戦国短編
□貴方の心は十字の宝石 中
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俺は憎いよ。運命とやらが。
戦が始まった。俺は旦那とは別行動。不安を駆り立てられる・・・。無事生還してくれ、旦那――
「佐助、お主には霧を頼む。できるか?」
「御意 ・・・旦那は?」
「幸村には奇襲部隊を任せておる。なに、心配はいらんじゃろう」
「・・・・そう、ですね」
「不安か?」
「・・・えぇ。何か嫌な予感がします」
「お主の予感は当たるからのう・・・ 今日は外れる事を祈ろうかの」
「外れて欲しいんですけどね」
「・・・珍しいのう。そこまで不安なのか?」
「えぇ」
「そうか。 期待しておるぞ、佐助」
「御意」
武田と伊達。勝利の女神は一体どちらに微笑むのか。勝負の行方は誰にもわからない・・・そんな中、
「報告ッ!奇襲部隊隊長真田幸村様苦戦!敵は伊達本隊とのことです!救援要請が!」
「な・・・どうして本隊が・・・?」
敵本隊が奇襲部隊に突撃することなどまず有り得ない。しかし報告兵の言うことはそうゆうことだ。味方本陣に居た皆が唖然とした。それは大将も同じだったようだ。