BL

□最大級の愛
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「って、何でまた布団が一つやねん」

揚羽がここに出入りするようになって、家族はすっかり揚羽を嫁扱いするようになった。

「俺は構わねぇけど」

揚羽はさして気にした様子もなく、布団の上に寝転がった。

オレは構うんじゃボケ。

「大体、狭いやろ。一つじゃ」

「重なり合えば問だ」

オレはニヤニヤしている揚羽の頭をバシッとはたいた。

最後まで言わせるか。

「お母さん、布と…んぐっ!」

仕返しとばかりに、揚羽がオレの足をひっつかんで、畳の上に転ばせた。

「揚羽ぁ…!」

「鼻真っ赤だぞ、お前」

「お前のせいやろ!」

しかも何を考えたのか、起き上がろうとするオレの体を、こいつは両手で押さえつけた。

「…何やねん」

「布団が一つで夫婦二人っきりっていったら、やることはひとつだろ」

「…こういうことがしたいんやったら男娼のとこに行ってくれ」

「鈍いな。俺は太郎ちゃんとしたいの」

「はぁ?冗談は…んぅっ!」

揚羽の顔がドアップになったと思ったら、そのまま息ができなくなった。

つまり、キス。

「ふっ…んんっ!や、やめ…っ、」

口の中に舌を入れられた挙げ句、その舌に自分のと絡められて…。

嫌や!これ以上言うのも恐ろしい!

しかもこいつ…

「ふぅ…っ、んぅ…、はぁ、んっ」

うまい。

やっと解放されたときにはオレの頭はクラクラで、揚羽の顔が霞んで見えた。
それでも、揚羽の目がギラギラと光っている様子は明らかにわかる。
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