BL
□親子みたいに
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「ご注文は?」
「蕎麦二つ」
「お蕎麦二つですね」
女の人が行ってしまうと、平助は机に突っ伏した。
「はぁ…。キツい…もう無理…」
「そりゃあんだけ騒げばな」
「……何で俺を連れだしたりしたんだ」
「いくら昼が苦手だからって、長いことお天道様の下歩けねぇってのは気が滅入るだろ」
平助は土方の顔を見上げ、じっと見つめた。
「……ありがと」
「お蕎麦です、お待たせしました」
二人が蕎麦を受けとると、前に大きな箱が置かれた。
「「?」」
「ただいま、期間限定で親子で来てくださった方に、くじを引いてもらってるんです」
まだ京に来て間もないのだろう。その少女は無垢な笑顔を二人に向けた。
「…いや、俺たちは」
「すんまへん!悪気があったわけやないんどす!どうか首だけは…」
奥から慌てて女将がやって来て、少女に頭を下げさせた。
「え、女将さん…?」
少女は意味がよくわかっていない。
「もういいって…。知らないからしょうがないし…」
平助は少し苦しそうにしている。
「…平助。これ食ったら帰るか?」
「え…?」