BL
□似てるふたり
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「メルー、遊びに来たよ」
古びた井戸の中に声を響かせたのは、双子の人形を抱いた冬の子、イヴェール。
「…イヴェ?」
「そうだよ、イヴェだよ」
「久しぶりじゃないか」
「外寒くて…手紙ばっかりでごめんね?」
「いいや、俺も暫く出てなかったし」
「ホントだ。メル、全然焼けてないね」
イヴェールは、ペタペタとメルの頬を触った。
その手は冷たく、メルはイヴェールの手をギュッと握り、自分の口元に持っていった。
「メ、メル?」
困惑するイヴェールをよそに、メルはイヴェールの冷えた手に自分の息を吹きかけた。
「…あったかいね」
「ん、ああ。…暖かい、光…母さんのような…」
「…メル?何言ってるの?」