サンホラ
□オトメゴコロ
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「ネェ、彼処、彼処行キタイ」
「はいはい」
「此方モ」
「分かってる」
分かってる。我が儘だってことは分かってる。
でも、メルメル、貴方しか居ないから。
私の側にいてくれるのは貴方しか居ないから。
「…ーゼ、エリーゼ」
「ン、何?」
「どうした?ボーッとしてるけど」
「何デモナイ」
「そう?」
小さな町に行けば私と同じくらいの女の子たちがキャッキャッと騒がしく恋愛話。
大きな街に行けばちょっと年上のお姉様方がめかしこんで男性の隣を歩いてる。
…決して、どちらも楽しそうだとかは思わない。
絶対。
そう自分に言い聞かせて、メルメルの服にギュッとしがみついた。
私は人形だから友達もいないし、男はいるけど隣は歩けない。いつも抱っこ。
まるで子どもみたい。