銀魂
□遅れすぎた誕生日
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「総ちゃん」
「何…」
本を読んでいた総悟は姉のミツバに声をかけられ、顔を上げた。
「…その格好…どこか行くんですかィ?」
総悟の目に映ったのは外出用の着物を身に纏ったミツバの姿。
「今日十四郎さんの誕生日だからお誕生日会に行くのよって…前から言っておいたでしょ?総ちゃんも行くでしょう?」
土方のことを話すときのミツバは本当に嬉しそうで。総悟はそれが気に入らなかった。
「…やめときまさァ…」
「どうして?具合が悪いの?」
ミツバは心配そうに総悟の顔をのぞきこんだ。
「別に…今日は用事があるんでさァ」
総悟がそっけなく言うと、ミツバは驚いたような顔をした。
「まぁ、そうなの?言ってくれれば日程を変えてもらったのに…」