銀魂
□初めて知った、この気持ち。
1ページ/4ページ
「おいチャイナ、聞いてんのかィ?」
「うっさいアル。死ねヨ。頼むから死んでくれヨ」
また今日も沖田と喧嘩。
私は酢昆布を嫌味ったらしくくちゃくちゃ食べて対抗した。
「お巡りさんの心を傷つけた〜。公務執行妨害で逮捕」
「ふんっ、そのままくたばれヨ」
「ンにゃろ…っ、これでもくらえー!」
あまりにも棒読みだったから、奴がバズーカを撃つのに反応が遅れる。
「わっ、わわっ!」
間一髪で避けて、後ろの電柱に見事直撃。
人が居なかったからいいものを、街のど真ん中だったら確実に死者が出ていた。
「どこ狙ってるアルか!?馬鹿だ!お前馬鹿だ!」
「……!あぶねェ!」
「へ…?」
気づいたときには、すでに沖田に腕を引っ張られていた。
「馬鹿はお前だろィ!」
後ろを振り向くと、私が立っていた場所には、さっきのバズーカで被害が及んでいた土塀が崩れ落ちていた。
「お前が撃ったからアル!」
「てめぇが避けたからだろィ」
「避けなかったら死んでたネ!」
「死ねよ」
「むむぅ…」
どうやら今回は私の負けみたいだ。
「…って、離すアル!」
さっきからずっと抱き寄せられていた身体を捩ると、沖田はアッサリとその手を離した。
「何慌ててんだ?…じゃあな」
沖田は勝ちを確信した途端、私に興味を無くしたみたいだ。
もっとも、壊された電柱を見た住人が警察に連絡するだろうから、マヨラー土方に説教される前に逃げとこう、という考えかもしれない。
考えても無駄なことを考えながら、私も万事屋へ帰ろうと歩き出した。