銀魂
□てるさんにお願い
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「あしたあーめにしておくれ」
神楽は教室のカーテンを閉めて、窓にぶら下げたティッシュの塊──否、てるてる坊主を見つめていた。
「何やってるんでィ」
「お、沖田!」
「………」
沖田は窓にぶら下がってゆらゆら揺れているてるてる坊主を見つけて、ニヤリと笑った。
「へぇ…。お前、こういうの信じるんだねィ」
「わ、悪いアルカ…!?」
「別に。……下手くそな顔。お前にそっくり」
近づいて不細工な顔のてるてる坊主を見るなり、沖田は鼻で笑った。
「…だってでこぼこしてたから…」
「こんなんじゃ効き目なんてないぜ?…明日晴れるように?」
神楽は俯いたまま首を横に振る。
髪飾りがそれに合わせてゆらゆら揺れた。
その様がかけられているてるてる坊主とどこか似ていて、沖田は噴きだしそうになった。
「な、何笑ってるネ!?」
「いや、なんも…。じゃあ何」
「…雨に、なるように」
「…何で」
「明日、体育があるネ」
あぁ。そうか。
沖田は神楽の一言で、全てを悟った。
神楽は日に当たれないから。晴れたら体育は外。
だが神楽は皆のように走れない。運動できない。
だから、雨なのだ。