銀魂

□本当に望むのは
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カチカチ、

クチャクチャクチャ

カチ…、カチカチカチ

クチャクチャクチャ

ボタンを押す音と、咀嚼音。

「………欲しいアル」

神楽が酢昆布をくわえたまま、呟いた。

「んー?」

「ソレ」

ピッと指差したのは、総悟の手の中に収まっている。

「ケータイ?」

総悟が聞き返すと、神楽は真剣な顔で総悟を見て頷いた。
総悟はそんな神楽を見て、思わずブッと吹き出す。

「な、何で笑うアル!?」

「だって…っ、チャイナがケータイなんて持っても、壊すだけだろィ?」

「最っ低ネ!死ねヨ、クソが!」

「でも、何でケータイ?」

子供に聞くように優しく問いかけると、神楽はパッと顔を赤くして俯き、口をボソボソ動かした。

「だって…、メールとか電話とか、総悟といつでも話せるアル」

言ってしまって、神楽は酢昆布を持った手で顔を覆った。

「………」

総悟は目をまん丸くして、しばらく神楽を見つめていたが、こちらもしだいに顔を朱に染めた。

「いや…、でも…」

あのなぁ、とか、それは、とか、何と言おうか迷いながら、総悟は一つの結論に至る。

「お前、ケータイ持ったら俺のとこに来なくなるだろィ?」

眉を寄せて困ったように言う総悟を、神楽は怪訝そうな顔で見る。

「だから…。俺はメールとか電話より、直接お前に会いたいんでさァ!」

「………!」

驚いた神楽だったが、嬉しそうに笑って、総悟に抱きついた。

「私も、総悟とは直接会いたいネ!」

「お、おう…!」




*END*
(買ってもどうせ、総悟には直接会いに行くアル)
(………俺も)
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