るろ剣

□恋夏
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「蒼紫さま、お昼持ってきたよ!」

「………」

今日も、お寺にいる蒼紫さまの様子を見にやってきた。

蒼紫さまはあたしに背を向けて、ピクリとも動かない。

あたしは蒼紫さまの邪魔にならないように、入り口の近くに座った。

外では蝉が鳴いていて、この中には風があまり入ってこない。

「埃…」

掃除してないのかな…。

床を指でなぞると、白い埃がついた。

「蒼紫さま、暑くないのかな…」

蒼紫さまは暑さなんて感じてないような涼しげな顔で目を瞑っている。

すごいなぁ…。

「───…」

「……操」

いきなり呼ばれて、ビクッとなった。

「…何ですか…?」

「何の歌だ…?」

汗ひとつかいてない蒼紫さまが、あたしをじっと見つめる。

「…歌って、ました?」

頷く蒼紫さま。
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