その他
□新しい世界
1ページ/7ページ
『わぁーっ、わぁーっ!』
うっせーぞ、佐為。
『だってヒカル、こーんな小さな穴から見れるなんて!』
はいはい、わかったから、実験結果まとめなきゃいけねぇんだから、早くどけよ。
俺は、顕微鏡にへばりついている佐為を追い払って、レンズを覗いた。
横目でちらりと見ると、次は骸骨のところに行って、何故か爆笑している。
馬鹿じゃねーの…?
まぁ、気持ちはわからんでもないが…。
中学になって理科の実験もなんか変わったもんなー。
いろんな道具もあるし、騒ぐのも無理ねーか。
俺はクスクス笑いながら、紙に結果を書いていった。
「なぁに?ヒカル。さっきから一人で笑って」
「あかり。…いや、もし昔のやつがタイムスリップしてきたら、すっげー騒ぐだろうなぁって。…くくっ」
「何よ、いきなり。…でも、そうねぇ。骸骨みて笑ったりして」
あかりが理科室を見回して放った言葉がこれだ。俺はたまらず吹き出してしまった。
「ぶはっ!」
「何よー、せっかくくだらない話題にのってあげたのに!ヒカルなんて知らない!」
だって!いるよ、いる!今一人いるもん、骸骨みて爆笑してるやつ!