サンホラ
□小さな願い
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それから私たちはたくさんおしゃべりした。
今日は誕生日でケーキも食べられるから気分がいいらしい。
部屋の飾り付けのために色紙で花や動物を折ったりもした。
夜、お母さんがたくさんのご馳走を持って部屋に入ってきた。
「うわぁ…!美味しそう!ケーキは?」
「ケーキはデザート」
お母さんはロランの頭を撫でて、また部屋を出た。
「ただいま」
「パパ!」
「お帰り、お父さん」
「今日はご馳走だな」
「ロランの誕生日だもん」
「そうだったか?」
ロランはお父さんが自分の誕生日を忘れてると思い、ちょっと悲しそうな顔をする。
「嘘だよ。ほら」
お父さんは隠していた包みを見せて、ロランに渡した。
「わぁ!ありがとう、パパ」