サンホラ

□オトメゴコロ
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「エリーゼ?」

「ネェ、私ノコト好キ?」

「大好きだよ。愛してる」

本当にそうかな?
本当に愛してる?
こんな人形でも?
こんな我儘でも?

「エリーゼ。僕は君さえいてくれればいいんだ」

こっちの気も知らないで。
そんな期待するような言葉ばかり。

でも結局は私を「女」として認めてくれちゃいないのよね?

お互い一人ぼっちだから仕方なく一緒にいるんでしょ?

ホントに好きならキスの一つぐらいしてみなさいよ。
押し倒すぐらいしたらどうなの?そんなことしたら一生口きかないけど!

そんなぐちゃぐちゃした思いは、シンプルに、且つ最悪な形で口から出てきた。

「私ハ、メルメルダケジャ嫌」

…嗚呼、言ってしまった。

「可愛イ洋服モ欲シイシ、綺麗ナアクセサリーも欲シイ。………ソレカラ、友、達…モ」

最後のほうはもう途切れ途切れになった。
だって、メルメルがすごく傷ついたような顔をするんだもの。

「メルメル…?」

返事はない。ただの屍のようdって違う!

「アノ…今ノハ嘘ダカラ!冗談ヨ!」

必死に弁解したけど、メルメルは側の井戸に私をそっと座らせた。
この“そっと”が重要なの!やっぱりメルメル紳士よね。流石私が見込n(ry

だから違うってば。

「メルメル…?」

「待ってて」

メルメルはそれだけ言うと、私と目も合わせずにどこかに走り去って行った。


嗚呼...捨テラレタンダ、私…。
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