サンホラ
□あたい、頑張る!
2ページ/5ページ
ようやく汲み上げて顔を洗っていると、お姉ちゃんがクスクス笑っていた。
「その瀝青は一生とれないよ」
「何でよ!?」
「ちいちゃんが怠け者だから」
「あたい怠け者じゃない!」
ほんっと最低!こいつ!
「だって、パンや林檎を助けなかったし、ホレおばさんのところでも働かなかったでしょ?」
「そ、それは…」
だって、何であたいがそんなことしなくちゃいけないの!?
「ちいちゃんが働きものになれば、瀝青が取れるんじゃない?」
「何すればいいのよ…」
「洗濯、掃除、食事の用意…あとおつかい!」
「嫌だ!それ全部アンタの仕事じゃん!」
絶対やだ、と反対したら、お姉ちゃんはニヤニヤと嫌味な顔をこちらに向けた。
「へぇ。じゃあずっとそのまんまでいいんだ?」
「やだ!」
「じゃ、頑張るしかないね」
「……」
お姉ちゃんはそれから何も言わずに家の中に入っていった。
あたいは…悔しくて、悲しくてその場で涙をボロボロこぼした。
涙と一緒にドロドロの瀝青も下に落ちる。