るろ剣
□緋色の風
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薫の手から顔を離した剣心は、にっこり笑った。
「な、なな、何やってるの!?」
「息、手にかけると暖かいでござろう?」
薫の気持ちなど知らない剣心は、もっと暖めようと、薫の手をギュッと両手で握った。
「…やっぱり、剣心の側にいたらポカポカする」
襟巻きで赤くなっている顔を隠すようにして、薫はボソリと呟いた。
「ん?」
「な、何でもないっ!ほら、早く行こう!」
「あ、待つでござるよ…!」
帰宅後、顔が真っ赤な薫が皆にいじられたのは、言うまでもない。
*END*
2011.02.10