その他
□たたかう意味
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「どうしたのですか?」
「ナギ…」
「元気がないですね」
「……うん。…みんな死んじゃったなって…」
ヤバい。言ってて悲しくなる。
鼻の奥がツンとなって、目も熱くなってきた。
「大勝利でしたよ?」
「でも…!」
涙がこぼれそうになったとき、ナギの手が私の頬を包んだ。
「…あなたは今までたくさん悩んで、悲しんで、タタラになっている。だから、人の苦しみや、敵のぶんの痛みまでわかってしまうんですよね」
「そんな…っ」
そんなキレイな人間じゃない。今までこの手は、たくさんの人を殺してきた。
「人の命の大切さがわかってるあなただから、みんなあなたについていくのですよ」
「…みんなも、傷ついて、悩んで、人が死んでいくのを悲しんでる?」
「勿論です。このタタラ軍に命の重さがわからないような人はいませんよ。いたとしたら、私が追い出してます」
「プッ……ありがとう、ナギ。ちょっと頭冷やしてくる」
「温泉ですか?」
「うん。夜までには戻るから」