Gift

□電話越しに
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俺は獄寺のことが好きだ。
そして獄寺も俺のことが好きだ(と、思う…だって俺たち付き合ってるから!)


俺としては好きな人とはいっつも一緒にいて手繋いだり抱きしめたりキスとかしちゃったりあわよくばそのままちょっとえっちなこともしたいな、と思うんだけど。

獄寺はそれがすっごくすっごく恥ずかしいみたいでなかなか家に入れてくれない。
せめて声はずっと聞いていたいから電話だけ!という俺の願いはずっと聞き入れてもらえなかったけれどさっき!お許しが出た!だから俺は有頂天で獄寺に電話をかけた!
どきどきわくわくしてああ俺、セイシュンしてるーって思った。



+++電話越しに



「獄寺ー!」

『うわっ、うるせえもう少し声落とせ馬鹿』


獄寺と電話するのは初めて!だから俺のテンションは上がる上がる、だからつい、声も大きくなっちゃったというわけ。
ごめん獄寺、と言ったらばーかと返された。きっと獄寺は今意地悪そうに笑ってるんだろうなあと思ったら俺はなんだか嬉しくなってまた声を大きくしてしまった。獄寺に怒られた。


「あのな、俺獄寺と電話できてちょー嬉しいのな」

『…だから』

「え、獄寺は嬉しくない?」

『…別に』


獄寺は学校で話す時よりも冷たかった。ちょっと悲しいけどこれって多分獄寺の照れ隠しだと思うから嘘だあーと言ったら怒られた。あれ、また声大きくなってた?


「毎日電話しようなー」

内緒話をするみたいに少し声を落とした。こんな小さな携帯電話を通して獄寺と会話できるって最近はすごいなあと思ったけどこんな小さな携帯ひとつ挟むよりも本物の獄寺に耳打ちしたかったなあとも思った。

『なっ……なに言ってんだ今日だけだ馬鹿!』

「いーじゃんずっと獄寺の声聞きたいし」

出来れば側にいたいけど、と控えめに言ったら獄寺は黙り込んだ。ああきっと獄寺は今真っ赤なんだろうなあ、本物見たかったなあ。

『…次同じこと言ったら着信拒否してやる』

「ええー!そりゃねぇよ獄寺あ」


くすくすと笑っている声が聞こえる。電話って便利だけど不便だ。隣にいるようでいないなんて悲しすぎる。

「獄寺ーすきー」

『はあっ?!』

「大好きー」

『な、おまえいきなり…っ』

「あいしてるー!!」


ううううるせえ!獄寺が怒鳴った。確かに耳が痛い。
それよりは獄寺ってば照れちゃってかわいいのな、という気持ちのほうが強かったけれども。


「会いたいー」

『ふざけっ……』


ぴんぽーん、チャイムが鳴った。実はもう来てるのな。

やっぱりさ、電話で聞くよりも本物がいいと思うんだけど獄寺はどうなんだろう。獄寺も同じこと思ってくれたらいいなあ。


まあとにかくもうすぐかわいいかわいい俺の恋人が玄関を開けてくれるから、俺は幸せいっぱい。セイシュンだなあと思った。






end
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