お題

□17.忠犬
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「獄寺って、ツナの忠犬だよな」

「は?」



十代目は委員会が長引いていらっしゃるらしい。
今日は雨で外の部活も専ら自主練。そんな時は大体三人一緒に帰るのだが、十代目の委員会が終わるのをお待ちしているからもうすぐ最終下校時刻だ。

教室には俺と野球馬鹿の二人しかいない。さっきまでは何人かいたのだが。
野球馬鹿が一方的に話し掛けてきて、俺はというと適当に受け答えしながら明日提出する宿題を着々と終わらせていた。(勿論これは十代目に差し上げるのだが)


そして冒頭の会話に戻る。


「……はあ?」

「だからさ、獄寺ってツナの言うことなら何でも聞くじゃん?」

「当たり前だろ、俺は十代目の右腕になる男だからな」


いつも言ってるだろうが、馬鹿、と続けると山本は少し寂しそうな顔をして、呟いた。

「俺、十代目になりたかったなあ」

「…は?てめえみたいな野球馬鹿が十代目のような立派なお方になれる訳ねぇだろ」

「獄寺、ツナの言うこと全部聞くのに俺の言うことなんてほとんど上の空じゃん、今だってツナの名前出した途端話に食い付いてきたし」


獄寺は俺のこと本当に好きなのかなあって思った。


「……ったくてめーは、馬鹿だ、正真正銘の馬鹿だ」


なに、こいつはこともあろうに十代目に嫉妬してんのかよ?


「おい、野球馬鹿」

「んー何、獄寺」

「てめえはへらへら笑って言うこと何でも聞くような俺が好きなのかよ」


机に頬を押し付けていじいじしていた山本が、はっ、としたように俺を見た。


「ううん!獄寺はな、照れ屋さんで素直じゃなくて俺の事何にも考えてくれてないようで実は考えてくれてる、本当はすっごく優しい奴なのな!!」

「…んなこと聞いてねぇ…」


山本は突然満面の笑みになり俺を見てきた。


「やっぱ俺、今のままの獄寺が良いや!そりゃさー、ツナに向ける笑顔もすげー可愛くて大好きなんだけどな、ツナに見せない顔もいっぱい見せてくれるしな?」


夜とか。と小さく言った山本はやっぱり意地悪でむかつくし今日泊まりに来る予定だったけど玄関で閉め出してやろうかと思ったけど、

「昼間はツナに忠犬だけどさ、夜は俺に忠犬じゃね?」

なんて言うから玄関じゃなくてマンションの入口に置いてこようと思った。





end.

***
ちょっと下ネタですいませんでした^^;
十代目に嫉妬しちゃうもっさん。俺にもその笑顔をみせて!なんて。

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