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□ジロウさん
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山本母死んでます
あと山獄以外の死ねたあり
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ねえ隼人、
真っ白な部屋の中で真っ白なベッドに横たわったそいつは呟くように俺に話しかけた。
真っ白な世界のまんなかにいる真っ黒な髪と瞳を持ったそいつは無表情で天井を見つめている。俺は一瞬、体を巡ったかなしさに気付かれないように本を読むふりをしながらなんだよと言った。
何を言われるかはなんとなく分かっていた。さっきの話で予想がついた。それを考えるとまたかなしみが俺を襲うような気がした。ひどく泣きたかった。
あのさあ、俺、隼人にお願いしてもいいか?
+++ジロウさん
夢を見た。
随分昔のことで、俺はまだ保育園に通っていて、その頃の記憶なんてもう20年も前なのに何故か鮮明に覚えている記憶の再現だった。
長く長く再生され続けた夢が覚めたら最初に病院の天井が見えて、隣に隼人の気配を感じて、俺はひどく泣きたくなったのだけれど隼人に泣き顔を見せるのは嫌で、涙を引っ込めようと目をぎゅうと瞑った。
でも10年も連れ添ってきた隼人には何かが分かったのかもしれない。そっと俺に問いかけて、俺がゆっくりと話した夢の、昔の思い出を無言で、でも優しく聞いてくれた。
長くて薄暗い夢だった。
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