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□君の事が好きだから
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「…きょーやっ!!」
応接室のドアを開けて恭弥にダイビーング!
出来なかった。
「いきなり、何?死にに来たの」
久し振りに会えたのに……俺の可愛い恋人は俺の首筋にトンファーなんて突き付けちゃって。
照れ隠しなのは分かってる。でもさーもっと甘えて欲しいなーなんて。
「……何か言ったらどうなの」
黙り込んだ俺に不安げな眼差しを送ってくる。
「恭弥〜、俺が会いに来れるのたまにしかないの知ってるだろ?恭弥の為に仕事前倒しにしてんだけど」
「じゃあ来なくていい」
あれ、俺の作戦では…ごめん…僕の為にそんなに頑張ってくれていたんだね…(抱きしめる)みたいな展開を期待してたのに……
「さっさとイタリアにでも帰りなよ」
「え、ちょ、恭弥?」
いつもなら傍に居ても何も言われないのに…何怒ってるんだ……?
「おい待てって恭弥」
恭弥の肩を掴む。
乱暴に振り払われた。
いつもなら、黙って抱きしめられる、のに。
振り払われた時、視界がぐるっと一周した。
あぁ、目眩かな、なんて思ってたら体がふらっとして、立てなくなった。
そういや、ここん所、ろくに寝てないな……
「ディーノっ!?」
恭弥にこうして名前を呼ばれるのも久し振りだ、な…。
一瞬恭弥の顔が見えて。
綺麗だな、と思ったら。
ブラックアウト。
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