世界樹と冒険モノ。
□学院生活へ
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――海底洞窟【純白】
「うっわあああ…!なにここ、凄い!」
「海の下の…迷宮……」
感激しているハルニアの声が響く。ルイスも少し驚いているみたいだ。
…どうも、ツキノこと月命です。見ての通り、クオンさん達とスティアと私で海底洞窟【純白】に来ています。
理由は簡単。クオンさん達が受けたクエストの補佐。道案内も兼ねているけどね。
クエスト内容は、モーディアル学園の授業で取り扱う資料を届けること。そのモーディアル側でも受けとり役の人がいるそうだけど……誰だろ?クレーエとか…クシナかな?
「…ほう。海の下のタイプの迷宮は始めてだな。」
「海底洞窟か……深都に繋がる海嶺ノ水林とはまた違うね。」
「かいれいの…?それって、どんなダンジョンだったんですか?」
二人の会話が何だか気になり、話していたカノンさんとクオンさんに聞いてみる。
「海嶺ノ水林は、まさしく海の中って感じだったね。」
「ああ。けれど、空気があったし……あれは実際に見ないと感動を教えられないな…」
「海の中!?」
「うわぁ……なにそれ気になる…!」
海の中のダンジョンなんて…なかなか想像出来ない。でも、神秘的なんだろうなぁ…
「とても美しい樹海だったよ。」
「いいなぁ…」
「まぁ、魔物は少々厄介だが、綺麗な場所には違いないな」
本当、古代魚のジェットストリームアタックは許さない、とカノンさんが恨めしそうに呟くのが聞こえたけど…気にしないでおこう、うん。←
「さて、待っている人もいることだし、早く行こうか!」
「そうだね。……スティア、ツキノ…よろしくお願いします。」
「お願いしますっ!」
「了解です!さ、行きましょ!スティア!」
「オッケー!オレ達に着いてきて下さいね!」
そうして私達は海底洞窟を進み始めた。
◆
「あっそこはダメ!罠があるの!!」
「えっ、おわぁ!?」
ショック床の罠がある所を踏みそうになっていたハルニアに叫び、何とか回避した。その代わり、転けてしまった様だけど…。
「はー…電撃系のトラップ多いねー、ここ。カノンさーん。罠破壊できない?」
「…出来るものならとっくにやってるぞ、ハルニア。何故か効かないんだよ……」
「罠破壊って…そんなこと出来るんですか!?」
スティアの驚いた声が洞窟に響いた。いや、私もびっくりなスキル?だと思ったけど。
「ああ。小さなフロア位なら出来るが……やってきたのは全部"不思議のダンジョン"だったからな……普通の樹海や迷宮には効かないのかもしれん。」
「成る程…。でも罠破壊とか結構いいですよね……絶対に!」
「まあな。あって損ではないな。」
「でも、ここまで罠があるとね…流石に……」
苦笑するクオンさんを見てハッと思い出した。
「あ、フロトル唱えてなかった。」
「ちょ、マジかよツキノーーーっ!!?」
洞窟に反響する程の悲鳴をスティアがあげ、流石に申し訳なくなった。
…うん。唱えて損なしのフロトルは忘れちゃいけないよね。←
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