世界樹と冒険モノ。
□学院生活へ
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ダンジョンと魔物は付き物。それはクオンさん達がかつていた世界でも同じことであって。
「散れ!鷹乃羽!」
「始原の印術!」
現れたギギラ、ギョフライの群れにカノンさんが突っ込み、斬りつけていき、ルイスの放った魔法が炸裂し、魔物達を吹き飛ばした。
「えっ、ちょ……火力高過ぎじゃないか?ルイス…」
「なんか…ツキノのイペリオンを彷彿とさせるんだけど……」
「なっ……言わないでよスティア!」
「というかそれ、ブラストスキルじゃ……」
皆それぞれ思ったことを口にする。…確かに私のイペリオンの火力に近いなとは思ったけど。←
「…タルシスにいたときは普通に使ってた。…アスラーガでブラストスキルに変えただけ……。あと、つい癖で……」
最後の方は項垂れ、ごめんなさいと呟く。
「いっ、いやいや!?なにも謝らなくても…」
「そ、そうだよ!それに僕だって条件反射でつい、トドメ刺さなきゃってなって"介錯"しちゃうし…」
「なっ…物騒過ぎませんか!?クーさん!」
「大丈夫だ。私もついうっかり"首切"したことあるから。気にしたら駄目だぞ、ルイス」
「カノンさんもかーーッ!?何なのアーモロードの冒険者達は……!!」
物騒過ぎぃ…とひたすらハルニアがツッコミを入れまくる。…というか、名前だけでもかなり物騒なこと言ってることは嫌でも伝わってきた。
それはスティアも同じらしく、顔をひきつらせている。
「えーと……ともかく、あまり気にしないでってことだよ!ねっ、ルイス」
「……うん…」
(強引に纏めた)ハルニアがルイスの背中をぽんぽんと叩き、彼は小さく頷いた。
…よし、何とかなったかな…?
「…そういうことで、吹き飛びなさいぃ!イペリオン!!」
「ぎゃああああああああ!!やめてツキノーーーっ!!!」
迫ってきていた魚の魔物の大群に向かってイペリオンを放つ。同時にスティアの悲鳴が聞こえたけど…うん、気にしない!←
イペリオンのせいで軽く周囲が壊れたけど、いつものと比べたらかなり被害は小さい。加減って何とかなるもんね…。
「……もっと、加減を覚えてよツキノ…」
「え…えぇ…?」
涙声のスティアが私の肩に手を置く。見れば、クオンさん達は苦笑していた。
「あー…気を付けます…?」
まだ駄目なのかなぁ…?←
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