世界樹と冒険モノ。

□学院生活へ
4ページ/8ページ


 ――海底洞窟【純白】

「うっわあああ…!なにここ、凄い!」

「海の下の…迷宮……」

 感激しているハルニアの声が響く。ルイスも少し驚いているみたいだ。
 …どうも、ツキノこと月命です。見ての通り、クオンさん達とスティアと私で海底洞窟【純白】に来ています。

 理由は簡単。クオンさん達が受けたクエストの補佐。道案内も兼ねているけどね。
 クエスト内容は、モーディアル学園の授業で取り扱う資料を届けること。そのモーディアル側でも受けとり役の人がいるそうだけど……誰だろ?クレーエとか…クシナかな?

「…ほう。海の下のタイプの迷宮は始めてだな。」

「海底洞窟か……深都に繋がる海嶺ノ水林とはまた違うね。」

「かいれいの…?それって、どんなダンジョンだったんですか?」

 二人の会話が何だか気になり、話していたカノンさんとクオンさんに聞いてみる。

「海嶺ノ水林は、まさしく海の中って感じだったね。」

「ああ。けれど、空気があったし……あれは実際に見ないと感動を教えられないな…」

「海の中!?」

「うわぁ……なにそれ気になる…!」

 海の中のダンジョンなんて…なかなか想像出来ない。でも、神秘的なんだろうなぁ…

「とても美しい樹海だったよ。」

「いいなぁ…」

「まぁ、魔物は少々厄介だが、綺麗な場所には違いないな」

 本当、古代魚のジェットストリームアタックは許さない、とカノンさんが恨めしそうに呟くのが聞こえたけど…気にしないでおこう、うん。←

「さて、待っている人もいることだし、早く行こうか!」

「そうだね。……スティア、ツキノ…よろしくお願いします。」

「お願いしますっ!」

「了解です!さ、行きましょ!スティア!」

「オッケー!オレ達に着いてきて下さいね!」

 そうして私達は海底洞窟を進み始めた。


 ◆

「あっそこはダメ!罠があるの!!」

「えっ、おわぁ!?」

 ショック床の罠がある所を踏みそうになっていたハルニアに叫び、何とか回避した。その代わり、転けてしまった様だけど…。

「はー…電撃系のトラップ多いねー、ここ。カノンさーん。罠破壊できない?」

「…出来るものならとっくにやってるぞ、ハルニア。何故か効かないんだよ……」

「罠破壊って…そんなこと出来るんですか!?」

 スティアの驚いた声が洞窟に響いた。いや、私もびっくりなスキル?だと思ったけど。

「ああ。小さなフロア位なら出来るが……やってきたのは全部"不思議のダンジョン"だったからな……普通の樹海や迷宮には効かないのかもしれん。」

「成る程…。でも罠破壊とか結構いいですよね……絶対に!」

「まあな。あって損ではないな。」

「でも、ここまで罠があるとね…流石に……」

 苦笑するクオンさんを見てハッと思い出した。

「あ、フロトル唱えてなかった。」

「ちょ、マジかよツキノーーーっ!!?」

 洞窟に反響する程の悲鳴をスティアがあげ、流石に申し訳なくなった。

 …うん。唱えて損なしのフロトルは忘れちゃいけないよね。←

.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ