世界樹と冒険モノ。

□天使と…
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 ――封開せし地下遺跡

 ダンジョンを比較的早いペースで進んでいく。しかも、ルドベキア先生の言っていたブーグーンが大量発生していて、私達の行く先を邪魔するように襲ってきた。
 多少、普段のと比べて強い気もしなくなかったけれど、問題ない。

 時々休憩も取り、体力や魔力についても考慮しながらダンジョンを進んでいた。

 そしてあと少しでタカチホに出るフロアに行ける。そのひとつ前のフロアに着いた時、一瞬目眩がした。

「…っ?」

「なん…だ?」

「なに…っ?」

 クレーエ、カルテも感じたんだろう。頭を抱えていた。が、すぐに治まったのか、即座に周囲を警戒する。私も同じように周りに気を向けた。

 直後、前方から複数の大きな影が現れる…――ブーグーンの群れだ!

「来たっ!」

「またか!本当に大量発生してんだな、これ!」

「ですね。二人とも、下がってください!」

 あらかじめ対策はしてある。クレーエと私は頷き、下がる。そして、カルテに魔力が集まっていくのが感じる。


「イグニス!」


 集まった魔力は炎となり、爆発した。迫ってきていたブーグーンの群れはその炎に自ら突っ込む形となる。
 炎に巻かれなかった残りはそこまでいない。その残党を私とクレーエで倒していくという作戦だ。

「セティア!そっちにいったぞ!」

「わわっ…てやぁ!」


 不意打ちされる前にクレーエが教えてくれて、そのままこちらに向かってきたブーグーンを斬り伏せる。彼もまた、剣を振るい応戦していた。

 戦闘は長引くことなく終わり、魔物が消滅し始める。それと同時にいくつかアイテムを落としていたのに気付き、それを回収していた。

「錬金素材の物が多めに手に入りましたね。」

「ホントだな。お、これもだ…おわっ!?」

 クレーエが素っ頓狂な声を上げた。見れば、彼の手からブーグーンが落とした錬金素材の一つ、闇の結晶がその手から離れてしまっているところだった。
 あのままだと、(下手したら)割れちゃう…かも!?


 そう思ったと同時に私は走り出した。


「ととっ…!」

 クレーエとあまり離れていないということもあり、なんとか闇の結晶を受け止める。ただ、そのまま勢いで少し先へ行ってしまう。

 その時、カルテが声を上げた。

「セティアさん!その先、ワープが」

 彼女の声は最後まで聞き取れなかった。でも、何を言おうとしていたのかはわかった。

 …そりゃあ、同じダンジョンの中であるのは確かだけどさ…。明らかにさっきまでとは別の場所にいたのだから。

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