世界樹と冒険モノ。
□学院生活へ
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「四人も転入生だなんて珍しいなー」
「月詠君達のこと思い出すなぁ」
「あー、あの時もラッシュだったな」
廊下でレオノチス、チューリップ、バロータが話している姿が見えた。
「っと、噂をすればスティアと転入生達だな」
「おかえりー!ちゃんと校章入手出来た?」
「もっちろん!出来たよ、ホラ!」
そう言ってバロータ達に手に入れた校章を見せるハルニア。
…実を言うと、オレとツキノ、クオンさん達六人で例の校章クエストをやりに行ってきたのだ。
そりゃあ…プチ死神は呆気なく発見し、さくっと倒すという……見事な手際だった。
さすが、冒険者…。
「それにしても、スティア君の知り合いだったんだねー、クオン君達って」
…あと、設定としてクオンさんとルイスはオレ、ディアナとハルニア、月詠達とカノンさんがそれぞれ知り合いということにした。
無理があるんじゃないか…とか思ったけれど、今のところ大丈夫そうだ…多分。
まあ、異世界から来たことだけはきっちり伏せているし、ジャーナリスト学科の人達もそこまで騒ぐことはなかった。
ただ…あえていうのなら……
「にしても、ルイス君は不思議な学科の組みわせだよねー」
「…そう?」
「まあ、灰色魔術師と戦士だなんて、見事に真逆だからなぁ」
「そーそー!あ、もしかしてそれで英雄になるつもりなの!?」
「英雄…?」
また始まったよ…レオの英雄云々…。ルイスだってキョトンとしてるし…
とはいえ、選んだ学科の組み合わせという点ではクオンさん達は見事に目立ってしまっていた。
クオンさんとカノンさんはそこまで変な組み合わせではなかったけど、ハルニアも少し変だと思った。が、それ以上にルイスの方がツッコミ所が多かった。
遭遇した時だって、術を使っていたのは確かだ。なのにサブ学科は戦士で武器も剣を使っている。しかも、片手剣ではなく両手剣。……本当、何なんだろうか。
「お、そうだスティア。この次の授業だが、メイン、サブ含めた戦士系学科全員参加の実践だそうだぞ。」
「げ、マジかよバロータ……」
絶対に張り切ってるだろうな、未菜と影波は……。
「そうなると…転入生達もだね!楽しみにしてるよー!」
「よーっし!転入生でもボクは容赦しないからなーっ!」
目を輝かせるチューリップと意気込むレオ。…あれ、何でだろう…妙に嫌な予感が……。
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