世界樹と冒険モノ。
□学院生活へ
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――校庭
「今日こそ勝つんだからな!覚悟しとけや!」
「そりゃこっちの台詞よ!」
案の定というか、影波と未菜は張り切っていた。…勢い余って校庭破壊しなきゃいいけどな……。
「うーん、こうなるとルイスも参加になるのか……ハルニアみたいに辞退するのもありだったんじゃないのかな…?」
「…ううん。大丈夫」
クオンさんが心配そうに言うがルイスはそう言い切る。…ハルニアが辞退した理由は流石に戦士系全般とガチバトルしたら間違いなく負けるから、だそうだ。
しっかし…色々と気になるなぁ…。
ぼんやりと考えていると、授業が始まった。
うちのパーティーからの参加者はは未菜、影波、月詠、オレとなっている。
で、ルールは一対一で戦い、補助魔法含めた魔法は五回まで、というシンプルなモノだ。
…そういやクオンさん達…約束の中に極力前の世界の魔法や技は生徒の前で使わないようにって言われてたけど、大丈夫かな……
「あ、ルイスだ…」
グラジオラス先生に呼ばれたのだろう、彼が校庭に設けられたフィールドに向かっていく。相手は……未菜のようだ。
お互いが挨拶を交わし、準備にはいる。
噂の謎の学科組み合わせをしている転入生が戦うのだからか、すぐにざわつき始めた。
「それでは、始め!」
先生の声と共に動いたのは未菜の方だった。
「動かないならこっちが行くからね!粉砕っ!」
そう言いながら二本の剣を同時に降り下ろす。ルイスはそれをすんでのところでかわし、両手剣を振るう。
「遅いよっ!」
それを軽々と彼女はかわし、距離を取る。
「………」
ルイスはというと、未菜の動きをじっと見ていた。もしかしたら見極めているのかもしれない。
「…行きます」
彼が小さく呟き、未菜との距離を詰める。
「っと!」
彼の攻撃を未菜はかわし、受け止める。
「とと…っ…!」
が、次の瞬間。未菜の剣の一本が宙を舞う。
「!!」
「…インパルスエッジ、擬き」
ルイスは先程の受け止められた時、即座に持ち方を変えて下から上へ剣を振り上げ、彼女の剣を弾き飛ばした。
「へぇ、やるじゃん…でも」
タンッと跳躍し、ルイスの背後を取る。
「一つ一つの攻撃に隙が多いわよ!」
鬼神斬りの構えを取り、切りかかる。
「自覚はしてるよ。だからこそ…なんだ…!」
振り向き様に片手を未菜に向ける。それが何を意味するかはすぐに理解した。
「しまっ…!?」
「い……サンダガン!!」
攻撃体勢になっていた未菜に、避けるまもなく雷が当たる。
「っ……!いてて…」
「…やっぱり、難しい、か……」
雷に打たれながらも根性で突き進んだのだろう。鬼神斬りは出来なかったものの、彼の首元ギリギリに剣先を突き付けていた。
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