世界樹と冒険モノ。

□小さな異変
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 プリシアナ学院

 少しずつだけど、クオンさん達の学生生活にも慣れてきた様に見えてきた。

 ただ、問題点といえば……

「ねーぇーフリージア〜…何かクエストないのぉ?」

「ないです」

「ええぇ……」

 このようなハルニアとフリージアのやり取りがほぼ毎日行われていることぐらいが問題だろう。

 まあそれも仕方ない。事実、彼らは学院にいる間は元の世界のスキル等を極力使わないようにする約束がある。故に慣れないスキルや魔法を使うことが多く、思うように動けないことがストレスになってしまっていた。

 きっと、オレ達もそんな風に言われたら…ハルニアと同じ行動を取るメンバーも出たかもしれない。

「あ、いたいたー。」

「ん……?」

 図書室の入り口でひょっこり顔を出し、手招きしているルカの姿が見えた。ハルニアも気づいたのか、彼女の元へ駆けていく。

「ルカ?どうしたのさ」

「ご注文の品をお届けに参りましたってね!ルイスはどこにいるのかしら?」

「ルイスなら図書室に…あ、アタシ呼んできますね!」

 ぱたぱたと走り、図書室で本を読んでいたルイスの腕を引っ張り、連れてくる。

「…あの…?」

 いきなり呼び出されたので困惑していたが、ルカは気にせず背負っていた大きな縦長の袋を彼に差し出す。
 すると、ルイスはハッとし、改めてルカの顔を見る。

「これ……!」

「ええ。アナタが頼んだ物よ!一応メンテナンスした限りじゃ、なんともないハズよ!」

「え……?そんなこと…出来るの?」

 何だかよくわからないが、彼の問いにルカは笑って返すだけだった。

「気になるなら自分でも確かめた方がいいかもね。あ、あと退屈しているであろう、ボウケンシャー達に朗報よ」

「なに?何ですか!?クエストですか!?」

 ズイッと彼女に近づき、目をキラキラと輝かせるハルニア。すっごい食いつき方だなぁ……


「詳細は全員揃ってからね〜♪あと、出入り口で話すより、学生ホールで話した方がいいかもね。」

「りょーかいです!クーさん達集めてきますね!」

 そう言って、一目散に駆け出した。…あとで誰かに注意されてそうだな、うん。

「ふぅ……歴戦の冒険者なのよね?あの子」

「えっ!?そうなの…?」

「…うん。ボク達より長く冒険やってるって言ってた……」

「一応、纏っている貫禄はあるハズなんだけどねぇ…」

 意外となかなかのモノよ?と言うルカ。ま、マジなのか……

「っと、アタシ達も学生ホールに行きましょ?」

「そうだね、行こうか」

 冒険者って色々いるんだな…と考えながら、オレ達は学生ホールへ移動した。

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