世界樹と冒険モノ。
□戦場 再会の風
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「ただいま戻りましたよー」
「あれ、ツキノお帰りなさーい。明日までじゃなかったの？」
カノンさんの部屋に行くと、エルディアさんが一人ベッドの上に座りながら私を見て言った。
「まあ…実は色々ありましてね」
「？ふーん」
私(と月詠兄)だけ早く戻ってきた理由はスティアが関わっている。というか、ただ単にセティアに会いたいという理由で一日延ばしていた。…で、先に戻りたかったら戻っていいとも言われているため、私達はプリシアナに戻ってきたわけ。しかも、月詠兄も気を使って戻って来るという。影波達はきっと渋るだろうスティアを引っ張るために残った。
…最近来た彼女にはスティアの(重度の)シスコンのことは言っていない。というか、言い辛い。…てっきりカノンさん達がいると思ったから来たんだけど…まさかの留守とは。
…一体どこに行ったんだろう？
「あ、クーさん達なら近くの迷宮に行きましたよー。一応外泊届け出してたんで、ローズガーデン辺りの宿に泊まると思うよ」
「そうなんですか…」
まあ、リント達はほぼ軟禁状態だったし、息抜きも必要だろうし…。だからそういう行動を…ってあれ？
「だったら…何でエルディアさんも行かなかったんですか？」
「あー…いや、アタシはちょっと頭を冷やそうと思ってるから断ったんだよ」
どことなくぎこちない笑顔を浮かべながら答える。そうして、窓から空を眺める。
「……これ以上、アタシが焦ったらいけないから」
その目は鋭く、けれど何処か悲しそうにも見えた。
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