世界樹と冒険モノ。
□武士と狩人
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「かなり渋っていたみたいだけど、ちゃんと戻ってくるって」
「…はぁ、流石はシスコンと言った所か…」
そう言いながら、連絡水晶をしまう。それを聞き月詠兄が溜め息を吐いた。…うん、わからなくもないかな←
「えっと…スティア達も今日中には帰ってくるのかい?」
「ええ、まあ…そんな感じですねクオンさん。…本当、未菜達がいてよかった…。」
学生寮のホールで、私、月詠兄、クオンさんとそんな会話をしていた。
昨日、イワォロペネレプとの戦いからそれぞれ学院ないし学園に別れて戻る途中に、同じく帰還しようとしていたクオンさん達と合流した。そして、トキワさんについても話した。
それで、彼もまたリント達と同じようにクオンさん達の誰かと同室で隠す、ということになった。…勿論、セントウレア校長先生にも話してある。
それから次の日…つまり今日。やっとモーディアルからスティア達が戻ってくるということになった。
どのみち、課題もそうだけれど、この異変の一件もあるんだ。プリシアナを拠点にしてしまった以上、ここに戻るのは当然のことだし…うん。
その辺りはスティアに我慢してもらわないとね←
「とはいえ…スティア達が戻ってきても…まだルカの調査には時間が掛かりそうだがな…」
「そこよね……前回の分はエデン達がやってくれているけど」
「その生徒会の人達も巻き込んでしまったみたいだけれど…どのみち、調査に僕達が外せないということには代わりないよね…」
「でしょうね…」
苦笑しながらクオンさんが言う。まぁ…確認のことを考えたらクオンさん達が外せないことは事実。なんだが申し訳ないけれど…こればかりは仕方ないわよね……
うーん、なんか重くなってきた…話題、変えないと。
そう考えた時、先程ランニングをしていたリディアを思い出す。
「…そう言えば、さっきリディアが意気込んでいたけど…何かあったのかな?」
「ああ……あれか。確か、未菜と手合わせの予定があるらしい。戻ってきて少ししたらすると、前から聞いてある。」
「さ…さすがだね…」
「さすが…戦闘好き…。」
セリンパーティの前衛かつ戦闘好きは伊達ではなかったみたいだ。月詠兄の話を聞いて思わず苦笑してしまった。