世界樹と冒険モノ。

□花は舞い信念を矢に
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 ――購買部


 今までは街のお店で武器や薬は買っていたけど、“限られている期間”とはいえ学生。
 学院の外でも買うのもありだとは思ったけど、錬金や錬成によって変えられることもあるというのがここの世界だ。

 …そんなわけで、アタシは弓を買おうと思っているのだが…。

「…どれがいいんだろう」

 錬金や錬成で作ってしまうのもある。その場合は素材から必要になるみたいだけど…ちゃんとそれを揃えられるのか…。

 そう考えると、やっぱり新しく買った方が楽なような……。

「んーーー…」

「お、ハルニアじゃん。」

「おわぁ!バロータか…」

 不意にバロータに声をかけられ、ちょっとびっくりする。それを悪く思ったのか、彼も「あー…すまん」と頭を掻きながらばつが悪そうにしていた。

「いやいや、大丈夫。ちょっとびっくりしただけだから」

「そうか?ならいいけどよ。…で、何を唸ってたんだ?」

「あー…実はね、色々あって武器…弓を買おうかとしてたんだけど」

 弓、と言った途端、バロータは首を傾げる。

「あれ、ハルニアの学科って確か…」

「メインがドクター、サブが格闘家だったけど変えたの。サブの方を狩人にねー」

「あ、転科したのか。だから武器を新調しようとしてたのか」

「そういうこと!それに昔何度か弓使ってたから、そこそこいいヤツないかなーって思ってるんだよー…」

 アタシがそう言うと、バロータは「そうだな…」と呟き、ある弓を指差した。

「ほ?」

「これくらいでいいんじゃないのか?値段もそこまで高くないしさ」

「ほうほう…確かに…」

 バロータの言う通り、値段もそこそこ。初心者が使う弓よりはランクは上というのもなんとなくわかった。
 
 うーん、どうしようかなーこれ。買おうかなー…。ちょっと高いの狙ってみたり…?←

「あ、いたいた!ハルニアーー」

「ん?ツキノ?」

 と、今度はツキノがやって来た。彼女はこちらまで来ると、アタシの隣にいたバロータに軽く挨拶していた。
 …けど、ツキノの表情を見て何となく察した。ああ、これは……

(どうやらまた、調査っぽいな…)

 またダンジョンが見つかったんだろうか。そしてそれは…アタシ達がいた世界にあった物なのだろうか。

 トラブルが起きる前に調査、可能なら解決しておきたい。となると…あんまり迷っていられないなー…。



 ――うん、これにしようかな。


 
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