正義を貫け!
□No.2
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どうも。セレナです。
ついこの間、特殊捜査隊とやらに所属?することになりました。
そんなわけで、今は任務的なことで石の洞窟に来ているけど……。何故か、ワタヒョウ先輩も着いてきてしまうという事態になってしまった。
そして…今は。
「うわああああ!ヒュプノス、ハイドロポンプ!」
「容赦ねええええぇッ!?」
ワタヒョウ先輩の悲鳴に似た声とタクト先輩のツッコミが洞窟内に反響する。…なにこれ、うるさい…。
どうやらワタヒョウ先輩が野生のポケモンと遭遇して、それに驚きながらもミロカロスのヒュプノスを出して戦ったみたいだ。なんとか撃退出来たらしい……けど。
「おい、ワタル!水浸しになってるぞ!!」
「え?あ……うわああ!ご、ごめんなさいいい!」
リヒト先輩の指摘にワタヒョウ先輩が慌てて謝る。技を出したヒュプノスもしょんぼりと項垂れていた。
…それにしても、結構広い範囲が水浸しになっちゃってるなぁ……。
気を付けて歩かないと、泥濘にハマって転けたり服が汚れたりするだろうし……。
「……セレナ、もっと奥の場所か?」
「あ、ハイ。そう……ですね。」
タクト先輩の耳打ちにそう答える。多分、壁画の部屋とは逆方向にある迷路のようになっている方だと思う。……前にルーファちゃんがそう教えてくれた。
さてと、泥濘にハマらないように気を付けて進まなきゃ。
…そう思ったのが悪かったのか。
ズルッ!
「ぅえっ!?」
ワタヒョウ先輩が盛大に滑る。慌てて体勢を直そうとしたのか、手をバタバタと動かしている。
「っな!?」「ちょ、まっ!?」
その手がタクト先輩とリヒト先輩を掴んだ。
そして二人もバランスを崩し、体勢を直そうとした結果……私も巻き込まれた。
「え、そんな、まっ…!」
そう言った瞬間、私の視界にはぬかるんだ地面だけが広がっていた。
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